泰安の夕焼けに似たソウォン生マッコリ
ヨーグルトと、やさしい甘さの米飲料を思わせる香ばしさの間。泰安の夕暮れを長く覚えさせてくれた一本と、コッジの海辺を歩いた日の記録です。
- 地域 / PLACE
- 泰安(テアン)
- 醸造 / BREWED
- ソウォン・クンフン合同醸造場 · ソウォン面
- 流通 / FOUND
- 泰安・ソウォン面の地域店を中心に流通
- 確認 / REVIEWED

泰安に着いて最初に探した一本
泰安に着いた日、旅の鞄に入れたかったのは有名なお土産より、そこでしか出会えない一本でした。地域の店の冷蔵庫でソウォン・マッコリを見つけ、ソウルへ戻るとき三本を別に包みました。旅先で飲んだ味を家まで連れて帰りたいと思ったのは久しぶりでした。
ソウォンという名前は願い事ではなく、泰安のソウォン面から来ています。ソウォン面は海と港、森と浜が山裾に沿って続く場所です。名前を読むだけで、大きな流通網の標準的な一本ではなく、地域の冷蔵庫で先に出会う暮らしの酒だと感じられます。
ヨーグルトと甘い米飲料の間
最初のひと口で感じたのは、マッコリ特有の重いとろみがほとんどないことでした。酸味も前に出ません。その代わり、ヨーグルトの柔らかな白い感じと、やさしい甘さの米飲料を思わせる香ばしい米の印象の間にある味が、ゆっくり広がります。
口を重く覆う酒ではなく、グラスを傾けると軽く滑り、次のひと口を待たせる酒です。果物のような強い香りや弾ける泡を期待するより、冷たく穏やかな穀物の温かさを探す人に似合います。
味の強い料理の隣で輪郭が出る
泰安の食卓にはケグクチやカンジャンケジャンのように、味の声が大きい料理が上がります。塩気と辛みのある鍋、醤油の染みた蟹をひと口食べてソウォンを飲むと、酒は料理を隠さず口の中を静かに整えます。低い酸味と軽い口あたりが、次のひと口を開いてくれます。
この組み合わせには、地域の原料を無理に当てはめなくても泰安らしさがあります。海から来た塩気と辛み、それを少し休ませる穏やかな米の酒。旅の酒は名物の一覧より、その日の食卓で何をしてくれたかで長く残ります。
ソウルへ持ち帰った三本
ソウルへ戻り、チムタクを注文した夜に冷蔵庫から一本を出しました。醤油と甘みが重なる鶏肉、春雨の滑らかな口あたりに、マッコリの穏やかな米香が入ります。泰安でケグクチやカンジャンケジャンと飲んだときと同じように、酒は料理と競わず口を一度休ませてくれました。
三本を持ち帰ったのは大げさな収集ではありません。旅の感覚が日常でもう一度動くか確かめたかったのです。チムタクとの相性は意外なほど自然で、飲み終えたあともコッジの光と一緒に飲んだ最初の杯が重なって戻ってきました。
コッジで波が足首まで来た時間
コッジ海水浴場に着いたとき、太陽は低くなっていました。波が足首まで来ては引き、濡れた砂の上に夕焼けが長く伸びました。周りのすべてがオレンジと赤の間に沈むと、海を見ているのか、光を飲んでいるのか分からなくなります。
私はその場面を、別の世界に少しだけ入ったように覚えています。足元の冷たい水、頬に触れる風、目の前の赤い水平線が同時に感覚を揺らしました。ソウォンの味も、ひとつの強い印象より、柔らかく香ばしい米の輪郭が風景全体にしみ込むように残りました。
二つの岩に残る待つ時間
コッジの象徴、ハルミ・ハラビ岩には、新羅時代に海上王チャン・ボゴの部下だったスンオンと妻ミドの伝説が伝わります。海へ出た夫を待ち続けた妻が岩になり、あとからもう一つの岩が現れたという話です。歴史記録というより、長く海を見てきた人々が景色に贈った名前に近い物語です。
潮が引けば二つの岩の間に道が現れ、満ちればまた海の上に離れて立ちます。同じ場所が潮位で別の表情を見せるように、この酒も料理と時間で顔を変えます。伝説を知ってから眺める夕焼けは、ただ美しい景色ではなく、長く待った場面のように感じられました。
次に泰安へ行くなら
次はソウォン面の地域店で最初に冷蔵庫をのぞき、コッジの日没に合わせてゆっくり浜へ行きたいです。ケグクチやカンジャンケジャンのような濃い食事のあとに穏やかな一杯で口を休ませ、日が傾くころには黙って足元へ入る水を見ていたい。
ソウォン生マッコリは大きな地域物語を前面に出す酒ではありません。泰安で出会いやすく、その土地の料理と夕焼けを通った人の日常へ続いていく酒です。だから三本目をなかなか開けられません。ひと口で、あの日の海と光が戻ってくると知っているからです。
泰安で出会った一本
黄色いラベルのソウォン生マッコリは、ソウォン面の地域店で先に出会った酒です。とろみと酸味が控えめで、ケグクチやチムタクの濃い味の隣を軽やかに通り抜けます。公開されたボトルの形を参考に、旅の記憶に合わせて作った編集用コンセプトです。

出典
原稿確認日: